古い家電(電化製品)を新しく買い替えることでSDGsに貢献できる。これ、本当でしょうか? 疑問に思いますよね。
でも、古くなった家電をそのまま使い続けることが、かえって電力の無駄遣いや環境への負荷増大を招いているとすると、どう思いますか?
実は、古い家電を買い替えるとSDGsに貢献できるのは本当です。
家電の買い替えは単なる消費行為ではなく、地球環境や社会に対する意義も持っています。
だから、個人が古い家電を買い替えるにあたって、政府や自治体は補助を出すなど後押ししています。
あなたの自宅にも10年以上使い続けている家電がありませんか?
そこで本記事では、次を解説。
本記事を読めば、SDGsに役立つ賢い買い替え方が可能。
省エネ家電に詳しくなり他人にも教えられるようになれますし、補助金を活用したお得な買い替え方もわかります。
さらに、これらを知ったうえで実際に買い替えれば、身をもってSDGsを理解できますね。自分の子供たちにも範を示せますね。
ぜひ最後までご一読ください。
古い家電の買い替えでSDGsに貢献する!
自宅にある古い家電(電化製品)を新しく買い替えるとSDGsに貢献できます。
SDGsとは、持続可能な開発目標のことで、世界中の国々が共に取り組むべき重要な課題。
例えば、それらの課題に含まれるエネルギー効率の向上やCO2排出量の削減といった環境問題への取り組みに貢献します。
それでは具体的にどのように貢献するのか解説します。
古い家電は買い替えるべき
理由はエネルギー効率の向上
古い家電を新しいものに買い替えるべき理由は、ひとことで言うと「エネルギー効率」の向上です。
近年の家電製品は、昔のものと比べて大幅に省エネ性能が向上しています。
例えば、
- 冷蔵庫は、一般的には10年前のものと比べると約40~47%の省エネ
- 電球型LEDランプは一般電球と比べると約86%の省エネ
- テレビは、9年前のものと比べて約42%の省エネ
- 最近のエアコンは10年前と比べて約17%の省エネ
冷蔵庫の省エネ性能の改善度合いは大きいですね。
しかも、冷蔵庫は24時間365日稼働しっぱなし。電気を多く使う家電製品の第2位です。
冷蔵庫を買い替えた効果(我が家の実例)
我が家では冷蔵庫を買い替えることによって、家族が不在になる日中の自宅消費電力量が21%減少しました。省エネ性能の高いものになったから。
上図は、買い替え前後におけるその消費電力量(1時間あたり)の変化を示しています(それぞれ3日間の平均)。
我が家では、平日の半分の曜日の日中は家に誰もいなくなります。そこでは、自宅での電力消費が基本的に日によらず一定。ですので、上図での減少量は冷蔵庫が消費する電力量の差となります。
これは電気代に換算すると、ひと月あたり約600円安くなることに。
ちなみに、買い替えたのは2024年7月で、それまでの冷蔵庫は2011年3月から使っていました。使用期間は約13年間ですね。
新旧冷蔵庫の主な仕様は下表の通り。
以前の冷蔵庫 | 新しい冷蔵庫 | |
---|---|---|
メーカー | 東芝 | 東芝 |
型番 | GR-D43F | GRW470GZ |
内容積 | 426L | 465L |
消費電力量 | 280kWh | 253kWh |
仕様値の変化率(280→253kWh)以上に自宅消費電力量の減少率が大きいのは、以前の冷蔵庫が古すぎて仕様値以上の電力を消費していたのではないかと推定されます。
このように古い家電を使用することは無駄な電力を消費していることになります。
なので、エネルギー効率を向上させるためには、古い家電を新しいものに買い替えるべき。
家電の買い替えが役立つSDGs目標
古い家電を新しく買い替えることが貢献するSDGsは目標7です。
SDGs目標7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
全ての人が、安価で信頼性が高く、持続可能で近代的なエネルギーサービスを利用できるようにする
新しい家電は、効率的なエネルギーの使用を可能にするだけでなく、総エネルギー需要の低減にも寄与するからです。
加えて、家電の進化は、クリーンで持続可能なエネルギーサービスのアクセスを拡大する一助にもなるから。
例えば、前節で解説したように新しいエアコンは古いモデルと比較して大幅に電力消費が少なく、同等の冷暖房性能を達成。
これにより、エネルギーの無駄遣いが減り、化石燃料の消費とCO2排出量を削減します。
また、リモート操作やAIによる最適化などの新機能により、エネルギー効率の改善と同時に生活の質の向上も図れます。
したがって、古い家電の買い替えはエネルギー効率の改善、化石燃料の消費減少、持続可能なエネルギーサービスの拡大という形で、SDGsの目標7に対する重要な貢献を果たします。
ちなみに、家電の買い替え以外にも、自宅が契約している電力会社を再エネ実質100%の電力会社にするだけでもSDGsに貢献できます。
家電を買い替えるべきサイン
では、具体的にどのタイミングで家電を買い替えるべきなのでしょうか。
以下にいくつかのサインを挙げます。
- 故障や修理が頻繁に必要になる
- 電気代が高いと感じるようになった
- 使用感が悪くなった、例えばエアコンの冷えが悪くなるなど
- 製品自体が古く、省エネラベルがない
我が家の場合は、あるとき冷凍庫の冷え方に「あれっ?何かおかしくない?」と感じることがありました。そして次の2つの理由から、この時点で買い替えを決断。
- 完全に壊れてから慌てて買うと、使い勝手が合わないものを買ってしまったとか、もっと安く買える店があったなど、いろいろ不本意なことが生じそうだった
- そもそも購入から13年が経っていて、そろそろいつ壊れてもおかしくないと思っていた
新しい家電は、使いやすさや機能性だけでなく、環境への影響を最小限に抑えつつ快適な生活を支えるための技術も組み込まれています。
それらの視点を持って、自宅の家電の買い替えを考えてみることをおすすめします。
ちなみに、古い家電を買い替える以外にも、私たちが暮らしの中でSDGsに貢献できることはあります。
下記の記事にて詳しく解説しているので、併せてご一読ください。
買い替えるならSDGs家電
最近はSDGs家電という言葉があります。
いま家電を買い替えるならSDGs家電を選びたいですね。
SDGs家電とは
SDGs家電とは、省エネ家電とも呼ばれるか家電(電化製品)のこと。
エネルギー効率が高く環境負荷が低いので、主にSDGs目標7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)や目標13(気候変動に具体的な対策を)に貢献することから、そのように呼ばれています。
また、電気代も安くなり家計にもやさしいと言えます。
統一省エネラベルを見よう
買い替え時にSDGs家電を選ぶにあたって、注目したいのが「統一省エネラベル」です。
このラベルは、製品の省エネ性能を表す指標で、家電のパッケージや店頭の展示に貼られています。
ラベルには、「年間エネルギー消費効率(%)」や「年間電気代(円)」など、その製品の省エネ性能がどの程度なのかが分かりやすく表示されています。
エネルギー消費効率が高いほど、また年間電気代が低いほど、省エネ性能が高い製品といえます。
統一省エネラベルを活用することで、製品の性能だけでなく、その省エネ性能を考慮した選択が可能。
同じような製品でもメーカーやモデルによって省エネ性能は異なるため、比較検討する際の参考になりますね。
しんきゅうさんで下調べ
また、SDGs家電を選ぶ際に「しんきゅうさん」を利用するのも一つの方法です。
「しんきゅうさん」は、エネルギー使用効率やCO2排出量など、家電製品の環境性能を総合的に評価し公開しているウェブサイト。
環境省が作成しているので信頼できます。
ここでは、各製品の詳細なスペックや消費電力量、そしてその製品がどれくらいの環境負荷を持つのか、といった情報を入手可能。
具体的な数字を見ることで、その製品がどれだけ環境に優しいのか、また電気代にどの程度影響するのかが分かりやすくなります。
その「しんきゅうさん」の使用方法は次のとおり。
サイトに飛ぶと現れる「さっそく比較してみる!」をクリックすると、新しくウィンドウが現れます。
「かんたん比較」をクリックすると、家電の種類を選べます。
例えば、冷蔵庫を選んで、今使っている冷蔵庫の情報を入力。
次に、新しく買おうかなと思っている製品の情報を入力して「比較する」をクリック。
買い替えによってどれくらい電力消費を減らせるか計算結果が出てきます、
簡単に計算できて面白いですよ。
>>しんきゅうさんを試す
家電選びの際には、こうした具体的なデータを基に、自身のライフスタイルや家族構成、そして予算に合った、最適なSDGs家電を選ぶことが大切。
それが結果的にSDGsに貢献する選択となりますね。
古い家電の買い替えで利用したい自治体の補助金
家電の買い替えは、新しいものへの初期投資が必要となるため、一見、経済的な負担に感じるかもしれません。
しかし、多くの自治体ではエネルギー効率の良い家電への買い替えを支援するための補助金制度を設けています。
ここでは、その補助金の仕組みや申請方法について、そして自治体ごとの補助金情報について解説します。
補助金の仕組みと申請方法
エネルギー効率の良い家電製品への買い替えを後押しするための補助金は、自治体によって設けられています。
これは、地球温暖化防止や省エネ推進の一環として、新型の家電に買い替えることで生じる経済的な負担を軽減しようという政策。
補助金の申請方法は自治体によって異なりますが、一般的には以下の手続きが必要となります。
- 買い替える製品の購入
- 購入した製品の領収書や商品レシート、製品の詳細を示すものを準備
- 必要書類を自治体に提出し、補助金申請
多くの場合、自治体のウェブサイトなどで詳細な手続きや必要書類が掲載されています。
なので、まずは自身の住む自治体の情報を確認してみましょう。
自治体で利用可能な補助金情報
補助金は自治体によって内容が大きく異なるため、具体的な情報を提供することは難しいです。
しかし、一般的には、新型のエアコンや冷蔵庫、照明など、省エネ性能が高い家電製品への買い替えを支援している自治体が多いです。
補助金の金額や対象となる製品は、自治体のウェブサイトや窓口で確認することが可能。
「エコポイント」のような全国的なポイント制度と併用することで、さらなる経済的なメリットを得られます。
こうした補助金制度を上手に活用し、新しい家電を導入することで、あなたの生活はより快適で、そしてより環境に優しいものになります。
家電の買い替えを検討しているあなたにとって、ぜひ参考にしていただきたい情報です。
エアコンなど省エネ家電の購入で個人が補助金をもらえる自治体 では、いま申し込める都道府県や市区町村に加えて、まもなく申し込みが始まるそれら自治体の情報を掲載しています。
ぜひ参考にしてください。
古い家電を新しく買い替えるとSDGsに貢献する?のまとめ
本記事では以下について解説しました。
- 古い電化製品を買い替えるべき理由は、エネルギー効率の向上。近年の家電は省エネ性能が大幅に向上している。
- 古い電化製品を買い替えることで貢献できるSDGs目標は、目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」。
- いまから新しく家電を買い替えるなら、SDGs家電と呼ばれる省エネ家電を選ぶべき。
- SDGs家電を選ぶ際には、統一省エネラベルや「しんきゅうさん」を活用して省エネ性能や環境負荷を考慮した選択をすることが重要。
- SDGs家電など家電の買い替えに際しては自治体の補助金も活用できる。
自宅のエアコンなどが古いようなら、この機会に買い替えを検討してみてもいいですね。
ちなみに、単純に節電するのもSDGsへの貢献になります。詳しくは SDGsにも効果あり!楽にできる家庭での節電の取り組み まで。
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