昨今のエネルギー事情を考えると、資源の乏しい日本のためにも家計のためにも、できる範囲で節電したいですね。
SDGsにも貢献しますし。
でも、あれこれと手を打つのではなく効果のある取り組みに集中したいところ。
意外と効果のあることは、当たり前だと思っていたことを愚直にやるだけだったりします。
しかし、重要なのは、その方法がなぜ効果的で、どの程度の効果が期待できるのかを理解し、それに基づいて実践することです。
自分のやっていることにどれほどの効果があるのかわからなければ、長続きしませんよね。
そこで本記事では、次のことを解説。
ただ実践するだけでなく背景もしっかり理解していれば、身近な人から尊敬の念を抱かれますね。
また、お子さんがいれば、あなたの行動でSDGsについて教えることができます。
ぜひ最後までご一読ください。
節電はSDGs7や13に効果ある取り組み
節電はSDGsの目標7や目標13に効果ある取り組みです。
節電することで発電に伴う二酸化炭素(CO2)排出量を削減でき、SDGs目標7や13がCO2排出量の削減を目指しているからです。
SDGs7の目標
例えば、SDGs7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」では、CO2排出量削減のために再生可能エネルギーの普及を目標に掲げています。
目標7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
出典:United Nations Department of Economic and Social Affairs Sustainable Development
SDGs13の目標
SDGs目標13「気候変動に具体的な対策は」でも、実質的にCO2排出量がゼロになる脱炭素社会の実現によって地球温暖化という気候変動にストップをかけ、世界を持続可能なものにしようとしています。
目標13.2 気候変動対策を国の政策、戦略、計画に組み込む
出典:United Nations Department of Economic and Social Affairs Sustainable Development
CO2排出の削減寄与する節電の効果
家庭にて節電すると、例えば大手電力会社から電力供給を受けている場合、電力使用を1kWh抑制すると0.441㎏のCO2排出を減らすことになります。
実は、家庭から排出されるCO2のうち電気の使用に伴うものが最も多く47.6%を占有。
だから、節電はCO2の削減に大きな効果があります。
このように、節電によってCO2排出量を削減でき、そのことがSDGs目標7や13の達成に貢献します。
エアコンを賢く使う:SDGsに効果的な節電の取り組み①
エアコンは電力消費の大きい家電の上位です。
それだけに使い方で消費電力量が大きく変わります。
基本的には設定温度を控えめにするのがポイント。
具体的には夏の冷房時の室温は28℃、冬の暖房時の室温は20℃を目安にすべきです。
エアコン節電の効果
SDGsへの貢献になる二酸化炭素排出量(CO2)の削減量と併せて、節電効果は次のとおり。
夏の外気温度31℃の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から28℃に上げると(使用時間:9時間/日)、使用量はひと夏で30.24kWh減、14.8㎏のCO2削減。
冬の外気温度6℃の時、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃に下げると(使用時間:9時間/日)、使用量はひと冬で53.08kWh減、25.9㎏のCO2削減。
(CO2排出係数は0.488kgCO2/kWh[電気事業者別排出係数令和2年提出用「代替値」を使用)
上記の結果を電気代に換算すると、それぞれ870円と1,500円の節約。(*1kWhあたり28.8円として計算:東京電力の第2段階料金や燃料調整費単価を考慮)
ひと季節での結果とはいえ、たった1℃の温度設定の違いがこれだけの差を生みます。
ちなみに、上記の14.8㎏や25.9㎏というCO2削減量は、一世帯が年間に排出するCO2量(2,880㎏)の0.51%と0.90%に相当します。
エアコンを節電する際の着目点
設定温度を控えめにするのがエアコン節電のポイントであることはわかったとして、その設定温度を控えめにするにはどうすればよいか?
部屋の窓に着目します。
なぜなら部屋の内外の熱のやり取りのうち、窓ガラスを介して行われるものが多いから。
一般的に冬の暖房熱の58%が窓ガラスを介して外へ流れ、夏の外気の暑さの73%が窓ガラスを介して部屋の中に流れてきています。
したがって、窓に遮熱対策をすれば、エアコンの設定温度を控えめにしても冬は暖かく夏は涼しく部屋の中を保てます。
エアコンを節電するための工夫
断熱(遮熱)シートで外気の寒さ暑さをシャットアウト
エアコンの節電のため、部屋の窓に遮熱対策するには、断熱(遮熱)シートが便利です。
私が使っているこちらのものは、簡単に言うと、背面が特殊コーティングされたプチプチ。
窓ガラス表面を霧吹きで濡らすだけで貼れます。
これをサッシ以外のガラス表面全部に貼り付けています。
近くで見るとこんな感じです。
これで外の寒さや暑さが部屋の中に伝わってくるのをシャットアウト。
プラダンで太陽の日射をカット
ただし、夏場の我が家は、上記の断熱シートに加えて、太陽からの日射を防ぐために下の写真のようにプラダン(プラスチック・ダンボール)で窓を覆っています。
部屋が明るくなるので、プラダンは白がおすすめです。
私は窓に合うように大きいサイズのものをホームセンターで購入しました。Amazonを始め通販では、いろいろなサイズのものが取り揃えられているので、自宅の窓の大きさに合わせて購入できますね。
プラダンはカッターナイフでカット可能。サイズや形状が少し違っても、窓に合わせて調整できます。
節電に効果的なエアコンファンの清掃
部屋の遮熱対策以外に、エアコン内部の洗浄、特にファンの清掃もエアコンの節電に効果的です。
エアコンのファンが汚れると、風の通りが悪くなり、送風効率が低下するから。
送風効率が低下すると、冷暖房効果を得るためにエアコンが余計な稼働時間を必要とし、消費電力が増加します。
また、エアコンのファンが汚れると、モーターや軸受けなどの部品に負担がかかり、故障の原因にもなります。
このようにエアコンのファンを清掃することも節電や、さらには家計の負担を軽減する取り組みにもなります。
エアコンファンを自分で清掃する方法
実は、エアコンファンは自分で清掃できます。少なくとも私は自分で毎年清掃しています。
市販されている、以下の「くうきれい」(送風ファン洗浄剤ムース&リンス)を使用。
くうきれい(洗浄剤ムースとリンス)の使い方
使い方は動画の通りです。
紙の説明書も付属しています。
クリーニングの流れは次の通り。
- ファン洗浄で発生する汚水が溜まるように付属のビニール袋をセット
- ムースをファンにスプレーする
- 30~60分ほど放置して汚れを浮かせる
- リンス液をスプレーしてファンをリンス(すすぐ)する
- 1時間自然乾燥させる
私独自の工夫
動画のやり方に加えて、私は下の写真のようにバケツを用意します。
あとで説明するように私は水でリンス(すすぎ)を多めにします。
ですので、下の写真のように用意していたバケツに汚水が溜まるように準備。
付属のビニル袋の底に穴を開け、細長い袋をつないで、汚水がバケツに溜まるようにしています。
細長い袋としては、かさ袋などが便利。
さらに、ひと缶のリンス(すすぎ)液だけでは十分にファンをすすげないので、私は園芸用の蓄圧式スプレーに水道水を入れて念入りにすすいでいます。
このスプレーは手動で水圧を掛けられます。
私はホームセンターで買いましたが、近くにホームセンターがない方はAmazonでも購入可能。
この作業は、準備から最後の自然乾燥させるまでを含めて2~3時間かかります。
換気のことを考えると窓を開けながら実施した方が良いですね。だから、私は、暑くも寒くもない気候の穏やかな5月ごろの晴天の日を選んで行います。
でも、上記の解説を読んでも、やはりわかりにくい、あるいは自分でやるのは面倒という方は、専門業者にお願いするという手があります。
特に、家庭用エアコンのクリーニングなら、家を知り尽くすハウスクリーニング業者3冠達成の「アールクリーニング」がお薦めですね。
自宅に2台、3台とエアコンがあるなら、なおさら。2台目以降は割安になります。
待機電力を減らす:SDGsに効果的な節電の取り組み②
待機電力を減らすのが効果的な節電の取り組みとなる家電もあります。
待機電力とは、家電がオフの状態や使用されていない状態でも消費する電力のこと。
今や多くの家電にて発生おり、これを削減すれば全体の電力消費量を大きく減らせます。
例えば、テレビやPC、便座ヒーター、エアコンなど。
電源タップのスイッチを用いて家電の電源を完全に切る、エコモード機能を活用する、または待機電力消費量が少ない製品を選んで購入する、などが取り組みとなりますね。
例えば、我が家では長期旅行に出かけるときには、必ず電源プラグを壁コンセントから抜いています。
あと、オフシーズンのエアコンも。
あなたの家庭では無駄に炊飯器の保温時間が長かったりしませんか?
一見小さな節電活動かもしれません。
しかし、この取り組みも積み重なることで家庭内での大きな節電となり、社会全体でもSDGsの目標7(クリーンで公正なエネルギーを全ての人々に)や目標13(気候変動に対する即時の行動を)への貢献となります。
古い家電を買い替える:SDGsに効果的な節電の取り組み③
今ある家電を節電して使う以外に、いっそのこと家電を買い替えることが節電になる場合もあります。
省エネ性能の高い家電製品に買い替える場合です。
家電の省エネ性能
例えば、一般的には次のように新しい製品ほど省エネ性能は高いですね。
- 冷蔵庫は、10年前のものと比べると約40~47%の省エネ
- 電球型LEDランプは一般電球と比べると約86%の省エネ
- テレビは、9年前のものと比べて約42%の省エネ
- 最近のエアコンは10年前と比べて約17%の省エネ
10年くらい前の家電を使っているのであれば、新しく買い替えた方が節電になります。
特に冷蔵庫は、24時間動きっぱなしなので買い替えの効果が大きいですね。
省エネ性能の調べ方
家電を買い替えるときには、統一省エネラベルを目安にすべき。
その製品の省エネ性能がひとめでわかります。
家電のパッケージや店頭展示に貼られています。
また、しんきゅうさんで下調べするのも有効。
しんきゅうさんとは、各家電製品の環境性能を総合的に評価し公開しているウェブサイトです。
メーカーや型番を入力すると、その製品の消費電力量などがわかります。
いま使っている家電との比較などもできて便利です。
お得な買い替え方法
お得に家電を買い替えるのに、自治体の補助金を活用するのもひとつの手です。
都道府県や市区町村などの自治体によっては、個人が省エネ家電を買い替える際に補助金を支給しているところがあります。
例えば、東京都が実施している「東京ゼロエミポイント」を活用すれば、お得にエアコンなどの家電を購入可能。
具体的には、2.4~2.8kWのエアコンを買うと、LED割引券1,000円分+商品券17,000円分がもらえます。
また、私が活用したのは横浜市が実施しているエコハマ(省エネ家電応援キャンペーン)。13年ぶりに冷蔵庫を買い替えました。
これら東京ゼロエミポイントやエコハマを始め、省エネ家電の購入時に使える自治体補助金制度を下記の記事にて解説しています。こちらも併せてぜひご一読ください。
家庭でできる節電の取り組み:SDGsにも効果あり!のまとめ
本記事では、節電によって二酸化炭素(CO2)排出量を減らすことができ、それによってSDGsの目標7と目標13に貢献することを解説しました。
また、具体的な節電方法として以下を解説。
- 節電は、CO2排出量の削減を目指すSDGs目標7と13の達成に貢献する
- エアコンの設定温度を適正に設定すること(夏28℃、冬20℃)が節電につながる
- 窓ガラスに遮熱シートを貼ることで、室温を適正に保ちつつ節電可能
- エアコンのファンを定期的に掃除することも送風効率の向上で節電になる
- 待機電力の消費を防ぐことで、家電製品全体の消費電力を大きく削減できる
- 古い家電は新しい省エネ製品に買い替えることで大幅な節電が可能。なお、その際、自治体の補助金を活用すれば、省エネ家電の買い替えがお得
これらのうち一つでも実践すれば、あなたはSDGsだけでなくあなたの家計にも貢献できます。
ちなみに本記事で解説したのは節電によりSDGsに貢献する方法ですが、電気の節約以外でもSDGs目標7について私たちにできることはあります。
詳しくは下記の記事をご一読ください。
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