理由と真実を解説:メンタルヘルスマネジメント検定は役に立たない?

メンタルヘルス・マネジメント検定
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メンタルヘルス・マネジメント検定は役立つのだろうか?

検定を受験しようとすると、それなりの時間を勉強に費やすので気になるところですよね。私もそうでした。

結論を言いますと、メンタルヘルス・マネジメント検定は役立ちます

特に、30~40歳代の働き盛りの中堅社員には、メンタルヘルス・マネジメント検定の3種(Ⅲ種:セルフケアコース)がお薦め。

また、2種(Ⅱ種:ラインケアコース)の受験対象は管理職ですが、ある理由により管理職でない中堅社員にもお薦めです。私の合格体験談を教材会社のサイトに載せていただいたように、私もⅡ種を受験し合格しています。

では、どのように役立ち、なぜお薦めなのでしょうか?

そもそもなぜ「メンタルヘルス・マネジメント検定は役立たない」という話がでるのでしょう?

さらには、メンタルヘルスマネジメントそのものが役に立たないという声があるが、どうなのか?

そこで本記事では、メンタルヘルスマネジメントおよびメンタルヘルス・マネジメント検定について以下を解説。

本文ではこれらを具体的に解説。

受験するか迷っているあなたも、本記事を読めば検定のメリットが腹落ちして、勉強に身が入りますね。

ただし、自分はストレスでメンタルをやられることがないとか、自分には既にコミュニケーション能力が十分にあるという方に検定のメリットはないかも。

あなたはそうですか?

そうなら受験する必要性は低く、残念ながら本記事を読むのは無駄かもしれません。

でも、そうではない方には、きっとメリットがありますので、ぜひ最後までご一読ください。

メンタルヘルスマネジメント検定が役に立たないと思われる理由

役立たない理由

「メンタルヘルスマネジメント検定は役に立たないのでは?」

そう思っている人が一定数います。

でも、そんなことはありません。

ただし、「メンタルヘルスマネジメント検定が役に立たない」と思われるには理由があります。

ここではその理由について解説します。

資格として手軽だから

資格試験としての手軽さがために、メンタルヘルス・マネジメント検定は役に立たないと思われがちです。

なぜなら他のメンタルヘルス関連の資格と比べて、認知度が低く厳格な試験プロセスや受験資格を必要しないから。

例えば、メンタルヘルス・マネジメント検定には受験資格はありませんが、臨床心理士や産業カウンセラーの資格は、受験資格に専門的な教育が必要。

メンタルヘルス・
マネジメント検定
臨床心理士産業カウンセラー
受験資格なし指定大学院、又は
専門職大学院の修了
産業カウンセラー養成講座の履修、
又は大学院研究科
(心理学や人間科学など)修了
認定機関大阪商工会議所日本臨床心理士
資格認定協会
日本産業カウンセラー協会

このように、他のメンタルヘルス関連の資格と比べて資格試験として手軽であるために、メンタルヘルス・マネジメント検定は役に立たないと一部の人々が感じています。

実務に適用できるとは限らないから

検定に合格しても必ずしも実務で役立てられるとは限らないから、メンタルヘルス・マネジメント検定は役に立たないと考える人たちが一定数います。

確かに、検定は基本的な知識を測るものであり、実務で役立てようとすると実際の職場でのスキルや経験が別に必要。

たとえば、実務経験がない新人が検定に合格しても、職場での対人スキルや問題解決能力が未熟なら役立てるのは難しいでしょうね。

このように、メンタルヘルス・マネジメント検定の合格が実務能力を保証するものでないため、役に立たないと考える人がいるというわけです。

効果を実感しづらいから

学んだ知識を職場で実践しても、効果を実感しづらいためにメンタルヘルス・マネジメント検定は役に立たないと疑われがちです。

メンタルヘルスの問題は主観的なので、効果の定量化が困難。

ストレス軽減策を実践しても、その効果を具体的な数値で示す測定方法は限られ、個人で測定するのは難しいです。

なので、メンタルヘルス・マネジメント検定は役に立たないと思われがちです。

メンタルヘルスマネジメント検定は役に立たない?いいえ、 2つのメリットあり

検定合格の効果

しかし、実際には、例えばあなたが中堅社員以上のばあい、メンタルヘルス・マネジメント検定では以下のような2つのメリットが得られます。

メンタルヘルス・マネジメント検定を合格して得られるメリット

  • ストレスマネジメント能力の向上
  • コミュニケーション能力の向上

自分のストレス管理能力が向上する

例えばメンタルヘルス・マネジメント検定のセルフケアコースに合格すると、自分のストレスマネジメント能力が向上します。

セルフケアコースではストレスの原因や症状、ストレスへの対処法などを学ぶことが求められます。

合格するということは、これらの知識がしっかり身に付いた証。

例えば、ストレスのサインを早期にキャッチし、自分に合ったリラックス方法を見つけることができるようになります。

私にとって大きな収穫だったのは、なぜ有酸素運動がメンタルヘルスの維持に効果あるかを知れたこと。

これを知れたことで、週に1回のジョギングを長く継続できていて、心身ともに健康を維持できています、

このようにセルフケア能力が向上し、日々の生活や仕事でのパフォーマンスの向上を期待できます。

コミュニケーション能力が向上する

メンタルヘルス・マネジメント検定に合格すると、職場の同僚や部下など周囲の人とのコミュニケーション向上に役立ちます。

なぜならセルフケアコースでは、他者のメンタルヘルスに配慮したコミュニケーション方法も学ぶから。ラインケアコースでは、部下のストレスへの気づきなども学びます。

具体的には、同僚がストレスを感じていることを察知して、適切なアプローチや助言ができるようになります。

私の場合、ある女性同僚について次のようなことがありました。

彼女はふだんは効率的に仕事をこなしているのですが、時々、仕事の効率が著しく低下することがありました。決してさぼっている風ではなく、変わらず仕事に向き合っているのに。

「おかしいな~。」

私は彼女のそんな様子に少し首を傾げていました。

しかし、ある時、検定試験の勉強をしていて気になる情報が目に留まりました。

まさに、ハッとしたのです。

それは、ストレスが高まると仕事の能率が下がる人がいるという記述でした。私は彼女のことを思い浮かべていました。

多くの人は、タスクが増えるとプレッシャーを感じつつも、なるべく早く片付けようと取り組むもの。

しかし、彼女は、仕事が溜まって自分で処理しきれなくなる不安を感じると、途端にストレスを感じてしまい、能率が低下しているようでした。

そこで私は、彼女にそのような様子を見て取れたら「手に負えなさそうなら、いつでも声をかけてください。手伝いますから。」と声をかけるようにしました。安心感を取り戻してもらうためです。

そう声をかけておくと、意外にも助けを求められることはなく、仕事の方も多少は時間がかかることはあっても割とスムーズに終わっていることばかりでした。

ちなみに検定の勉強をするとわかりますが、私のこのような行為は「情緒的サポート」というものに当たります。

この女性は、今は出産休暇を取っておられます。産休に入られる直前の職場でのご挨拶で、次のように声を掛けられたのが私には印象に残っています。

「いつも声を掛けていただいて心強かったです。産休明けに戻って来ても、この職場に居てくださいね。」

このようにコミュニケーション能力が向上し、ひいては職場全体のメンタルヘルスを向上させることが期待できます。

メンタルヘルスマネジメント検定が役に立つ人

活用できる人

では、実際にはどのような人が役に立てられるのか?

以下で解説します。

自己啓発を目的とする人

メンタルヘルス・マネジメント検定は自己啓発に有効です。

転職やキャリアアップのためではなく、自身のメンタルヘルスの維持に役立つから。

例えば、ストレス管理の技術を学び、日常生活で心の健康を維持できます。

このように、自己啓発を目的とする人にとっては役立ちます。

中堅社員や管理職を担う人

中堅社員や管理職には、実務能力の向上に役立ちます。

職場のメンタルヘルスを改善するには、実務経験が必要だったり部下を指導したりする必要があるから。

具体的には、チームのメンタルヘルスを支え、生産性を向上させることができます。

このように、中堅社員や管理職には実務能力が向上に役立ちます。

HR関連業務に就いている人や職場の健康・安全担当者

HR関連業務に就いている人や健康・安全担当者には、メンタルヘルス・マネジメント検定は職場のメンタルヘルス改善に有用です。

学んだことの効果を実感するには、ストレスチェックなどのツールを活用して職場を評価できたり、その結果を閲覧する必要があるから。

例えば、ストレスチェックツールを使えば、職場のメンタルヘルスを評価し改善策を計画できます。

このように、HR関連業務に就いている人や職場の健康・安全担当者にとっては、メンタルヘルス・マネジメント検定は役立ちます。

そもそもメンタルヘルスマネジメントが役に立たない?

ところで、そもそもメンタルヘルスマネジメント自体が、あまり役に立たないのではないかという声もあります。

これも大きな誤解です。

メンタルヘルスマネジメントは役に立ちます。

メンタルヘルスマネジメントは、仕事やプライベートにおける様々なストレスを軽減し、心身ともに健康な状態を維持するための重要な取り組み。

特に働き盛りの世代には身に付けて欲しいですね。

なぜ、この世代にとってメンタルヘルスマネジメントが重要なのか、以下の4つの観点から解説します。

  • 仕事とプライベートの両立
  • キャリアの不安
  • 健康リスクの増加
  • 社会の変化

そして、本セクションの最後では、私がメンタルヘルスマネジメントに関心を持つようになったきっかけである、私の先輩の話について触れたいと思います。

仕事とプライベートの両立

この世代は、仕事で責任のある立場を担い、同時に子育てなど家庭の責任も担っている人が多いですね。

仕事とプライベートの両立は、大きなストレス要因となります。

メンタルヘルスマネジメントは、

  • 時間管理術
  • ストレス対処法
  • ワークライフバランスの確立

など、これらの課題を克服するための具体的な方法を提供します

キャリアの不安

昇進や転職など、キャリアに関する不安も、この世代特有のストレス要因です。

メンタルヘルスマネジメントは、

  • 自己分析
  • キャリアプランニング
  • ストレスマネジメント

など、キャリアの不安を解消し、自分らしい人生設計を築くためのサポートを行います。

健康リスクの増加

近年、働き方や家族観など、社会環境は大きく変化しています。変化に適応していくためには、柔軟な思考と高いコミュニケーション能力が必要。

メンタルヘルスマネジメントは、

  • コミュニケーションスキル
  • 問題解決能力
  • ストレス対処法

などを向上させ、変化に柔軟に対応できる人材育成をサポートします。

メンタルヘルスマネジメントは、単にストレス対策というだけでなく、

  • 仕事のパフォーマンス向上
  • キャリアアップ
  • 健康的な生活習慣の確立
  • 人間関係の改善

など、様々な効果をもたらします。

先輩の事例

私がメンタルヘルスマネジメントに関心を持つようになったのは、ある先輩との出会いがきっかけです。

私が30代前半のころに出会った、主幹(部下を持たない課長クラスの管理職)の方です。

若くして課長に昇進。ただし、仕事のプレッシャーからお酒でストレスを解消されていたとのこと。

その結果、アルコール依存症となってしまわれ、私が出会ったころは、体調不良で休業を繰り返し、復職しても出社中に担架で運ばれることもあるような状態でした。

最終的には退職されました。

これをきっかけに、私は自身のメンタルヘルスを維持する方法などメンタルヘルスマネジメントに関心を持ちました。

なお、上記先輩の話は アルコール依存症が招いた退職 にて詳しく紹介しています。

メンタルヘルスマネジメント検定とは?

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定が役立たないと思われる理由や、どのような人なら役立つかを知れたところで、改めてメンタルヘルス・マネジメント検定とは何かを簡単におさらいします。

メンタルヘルス・マネジメント検定は、メンタルヘルス対策に関連する資格として政府も紹介する資格試験です。

働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりをめざして、職場内の方々にその役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識、技術、態度を習得することを目的とした試験です。

厚生労働省:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

メンタルヘルス・マネジメント検定は大阪商工会議所が主催しています。

検定試験の3つのコース

メンタルヘルス・マネジメント検定試験には、想定される受験者の職位・職種別に3つのコースが設定されています。

コース想定対象者
Ⅲ種(セルフケアコース)一般社員
Ⅱ種(ラインケアコース)管理監督者(管理職)
Ⅰ種(マスターコース)人事労務管理スタッフ、
経営幹部
メンタルヘルス・マネジメント検定試験の3つのコース

Ⅲ種は一般社員や職場のメンタルヘルスに関心を持つ人、Ⅱ種は管理職が対象。

Ⅰ種の対象は人事労務管理スタッフや経営幹部です。

ただし、あくまでも主催者側が想定する対象者なので、受験資格は特になし

どのコースからでも受験可能なので、Ⅲ種の資格がなくてもⅠ種やⅡ種を受けられます。

また、Ⅱ種とⅢ種を同時申し込み可能。同じ日の同じ会場にて受験できます。

管理職を目指す人のなかには、そうされる方もいますね。

試験時間は午前(Ⅱ種)と午後に(Ⅲ種)分かれています。

3種/2種の難易度と受験者数

コース別に出題内容やレベルがもちろん異なり、合格率も違います。

Ⅲ種とⅡ種について、直近5回の受験者数や合格率を示すと次の通りです(公式ホームページ掲載のデータより本ブログにてグラフを作成)。

3種(Ⅲ種)難易度と受験者数

直近5回のⅢ種の受験者数と合格率
直近5回のⅢ種の受験者数と合格率

Ⅲ種の受験者数は5千人程度。

合格率は70~80%。頑張って勉強すれば十分合格できますね。

2種(Ⅱ種)難易度と受験者数

直近5回のⅡ種の受験者数と合格率
直近5回のⅡ種の受験者数と合格率

Ⅱ種は毎回、1万~1.1万人程度が受験し、合格率は60%前後となっています。

検定試験の出題内容

試験の出題は公式テキストの内容から出されます。

各コースの問題は公式テキスト 第5版【発行:2021年7月】の内容とそれを理解したうえでの応用力を問います。

公式ホームページ「試験について」より引用

ですので、基本的に公式テキストの内容を理解・熟知することが大切。

例えばセルフケアコースでは「ストレスへの気づき方」「ストレスへの対処、軽減方法」などを学び、試験でも半分はこれらに関する出題です。

管理職でなくても2種を学ぶ意義

管理職ではない一般職の中堅社員の方には、まずはメンタルヘルス・マネジメント検定3種(セルフケアコース)の学習をお薦めします。

ですが、メンタルヘルス・マネジメント検定2種を学習する意義もあることを、ここでは解説。

メンタルヘルスマネジメント検定とは? で解説したように、検定の2種(Ⅱ種:ラインケアコース)は管理監督者などの管理職が受験することをいちおう想定されています。

ですが、検定の2種で学ぶ「法制面」に関する知識は、管理職でなくても有用。

法制面に関する知識の具体例としては、従業員のメンタルヘルスについて会社が「不法行為責任」や「使用者責任」「安全配慮義務」を負うこと。

  • 不法行為責任:故意または過失により与えた被害を賠償する責任
  • 使用者責任:管理職の過失などにより従業員に与えた被害を会社が賠償する責任
  • 安全配慮義務:従業員が心身ともに安全に仕事をできるよう配慮すべき義務

あるいは、何かあったときにそれら責任や義務を果たせているかを、法律上では誰が証明すべきとなっているかの知識などです。

例えば、面談などで職場のメンタルヘルスについて上司に何かを要望する際、このような知識があれば論理的かつ説得力を持って依頼できます。

他にも、安全衛生面で決まり事だからと何気なくやっていたことの背景がわかるようになるなど学びの意義があります。

このように自分の仕事環境をより良くするのに役立ったり、何気なくやっていた業務を深掘りできたりと、管理職でなくても検定2種を学習する意義は大きいですね。

メンタルヘルスマネジメント検定の効果的な学習方法

効果的な学習方法

最後に、検定合格に向けた効果的な学習方法を簡単に触れておきます。試験対策を開始するにあたって参考にしてください。

独学での勉強

独学で勉強する場合、まずは公式テキスト過去問題集を用意しましょう。

また、YouTube動画などインターネット上には無料の学習リソースもたくさんあります。

私も独学で勉強し、公式テキストと過去問題集、YouTube動画、これらすべてを活用しました。

詳しくは 独学法:メンタルヘルスマネジメント検定 にて解説しています。

あるいは少しお金を掛けられるのなら通信講座で勉強するという手もありますね、

セミナーなどに通うのではなく通信講座なら自分のペースで学習できて、なおかつプロ厳選の教材で効率良く学習できます。

例えばスタディング(STUDYing)などの通信講座があります。実際、私もスタディングを活用し、体験談を掲載していただいたようにⅡ種に合格しました。

セミナーや講座の活用

セミナーや講座を受講することで、専門家から直接学ぶこともできます。

同じ目標を持つ仲間と出会い、切磋琢磨しながら学ぶことができるのは大きなメリットですね。

理由と真実を解説:メンタルヘルスマネジメント検定は役に立たない?

本記事では次のことを解説しました。

  • メンタルヘルス・マネジメント検定は、特に30~40代の中堅社員や管理職に役立つ。
  • 検定はストレスマネジメント能力やコミュニケーション能力の向上に寄与する。
  • 役に立たないと考える理由はあるが、実際にはメンタルヘルス改善に効果的。
  • 自己啓発、職場のメンタルヘルス向上、HR関連業務に従事する人に特に推奨される。
  • 管理職でなくても2種(ラインケアコース)の学習は意義深い。

ちなみに、職場のメンタルヘルスをよくすることは、最近話題になっているSDGsのうち目標8「働きがいも 経済成長も」に貢献します。

職場のSDGsについては「【SDGs】職場でできる取り組み3選」にて詳しく解説しています.

ご興味あれば、こちらも併せてご一読ください。

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