最近、テレビやネットで「オクトパスエナジー」という名前を目にして気になっている人も多いのではないでしょうか。
新しい電力会社に興味はあっても、「仕組みが複雑そう」「料金が本当に安くなるのか不安」と感じて、なかなか一歩を踏み出せない人も少なくないはずです。
実はオクトパスエナジーは、イギリス発の急成長企業と東京ガスが手を組んだ合弁会社。一般家庭向けに再生可能エネルギー実質100%の電気を供給しているという意外な特徴があります。
電気代や環境のことを考えると、オクトパスエナジーは私たちの暮らしの新しい選択肢になっています。
この記事では、オクトパスエナジーの会社概要から料金プラン、キャンペーン情報、サービスやサポートの実態、さらには「おすすめできる人・向かない人」までを整理。読んだあとには「自分に合うかどうか」がはっきりわかるはずです。
ぜひ最後までご一読ください。
オクトパスエナジーの会社概要

オクトパスエナジーとは
オクトパスエナジー(正式名称:TGオクトパスエナジー)は、英国の革新的なエネルギー企業オクトパスエナジー社と、日本の大手インフラ企業東京ガスによる合弁会社。一般家庭に再生可能エネルギー実質100%の電気を供給しています。
再エネ実質100%の実現には、非化石証書を活用した透明性の高い仕組みを採用。主な料金プランは「グリーンオクトパス」「シンプルオクトパス」です。
利用者向けにはマイページやアプリで電力使用量を見える化できる機能も提供。さらに、友達紹介制度や節電チャレンジなど、利用者がお得になる取り組みも用意されています。
英国オクトパスエナジー社は世界26カ国で事業を展開し、革新的なAIシステム「クラーケン」により900万人以上の顧客に支持される急成長企業。一方の東京ガスは創業140年超の歴史を持ち、世界最大の都市ガス事業者として信頼性が高く、日本市場での安心感につながっています。
オクトパスエナジーや英国オクトパスエナジー社の詳細はオクトパスエナジーとはを参照してください。
👉[オクトパスエナジーとは]
オクトパスエナジーが外資との合弁でも心配なし
オクトパスエナジーは英国企業との合弁会社ですが、日本の利用者にとって特別な心配は不要。
料金の支払い方法は口座振替・クレジットカード・コンビニ払いと一般的で、契約手続きもすべて日本語でわかりやすく案内されています。
さらに、カスタマーサポートは日本人スタッフが中心で、メール・電話・SNSから柔軟に対応。東京ガスとの強力なパートナーシップにより、信頼性や安定供給の面でも安心して利用できます。
外資系ゆえに「日本の電力会社と比べて使いにくいのでは?」と不安を感じる人も多いと思いますが、全く問題ありません。詳しくは下記リンク先の記事を参照してください。
👉 [外資が入っているけど怪しくない?]
オクトパスエナジーの料金プラン

オクトパスエナジーでは、家庭向けに主に「グリーンオクトパス」と「シンプルオクトパス」の2種類のプランを提供。どちらも非化石証書を活用し、再生可能エネルギー実質100%の電気を供給しています。
それぞれのプランを詳しく解説します。
料金プラン:グリーンオクトパス
「グリーンオクトパス」は、大手電力会社の料金体系と同様に、地域や契約容量によって基本料金が設定され、電気使用量に応じて3段階で料金単価が変動。2022年にオクトパスエナジーがサービスを本格稼働させた当初からある料金プランです。
グリーンオクトパスのサービス展開地域
グリーンオクトパスは沖縄電力エリア以外の下記大手電力会社9つの地域にてサービス展開されています。ただし、下記で解説するように各地域ごとに基本料金や電力量料金単価、燃料費調整単価が異なります。
北海道 | 東北 | 東京(関東) |
中部 | 北陸 | 関西 |
中国 | 四国 | 九州 |
グリーンオクトパスの料金体系
グリーンオクトパスの料金が決まるしくみは、他の電力会社の一般的な料金プランと同じ。月々の電気料金が基本的に次の計算式で決まります。
電気代=基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金

このうち再エネ賦課金の算出に使われる「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」は、電力会社によらず全国一律。もちろんオクトパスエナジーでも再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は他社と同じで、かつ地域によらず一定です。
グリーンオクトパスの基本料金
グリーンオクトパスの基本料金は住んでいる地域によって違います。
さらに、北海道電力や東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、九州電力の地域では、契約電流の容量によって変わります。
例えば、東京電力エリアの場合を示すと下表の通り(契約書に記載されている「使用期間1日あたりの金額」から筆者が算出)。
契約電流 | 基本料金 |
---|---|
10A | 295円 |
15A | 443円 |
20A | 590円 |
30A | 885円 |
40A | 1,180円 |
50A | 1,475円 |
60A | 1,770円 |
一方、残る関西電力、中国電力、四国電力エリアの一般家庭では、基本的に地域ごとに一律。
グリーンオクトパスの電力量料金単価
グリーンオクトパスの電力量料金を決める「電力量料金単価」は、使用量が多くなるにしたがって三段階で高くなっていきます。
これは東京電力をはじめ各地域の大手電力会社(旧一般電気事業者)が採用している仕組み。国民に少しでも節電の意識を持ってもらうよう、昔に決められた仕組みです。
その三段階の区分け方も、グリーンオクトパスは各地域ごと大手電力会社に準じています。
例えば、東京電力エリアでのグリーンオクトパスは、下表のような区分けと電力量料金単価。
段階 | 区分け | 電力量料金単価 (円/kWh) |
---|---|---|
第一段階 | 120kWhまで | 18.98円 |
第二段階 | 120kWh超え 300kWhまで | 24.10円 |
第三段階 | 300kWhを超え | 27.44円 |
このようにグリーンオクトパスの電力量料金単価は、大手電力会社と同様に三段階料金制度を採用しています。
グリーンオクトパスの燃料費調整額や燃料費調整単価
燃料費調整額は、次の式で計算されます。
燃料費調整額 = 燃料費調整単価 × 1ヵ月の使用電力量
その燃料費調整額の算出に用いられる燃料費調整単価は、毎月改定されて改定結果は月初に発表。
住んでいる地域によっても単価は違います。
筆者のXアカウントでは月の初旬に、下記のように各地域の燃料費調整単価を投稿しています。
また、燃料費調整単価の過去の推移は、例えば東京電力エリアでは下図のとおり。

グラフの横軸は、検針月。多くの場合、10月使用分は11月に検針されて電気代が決定。なので、10月に使用する電気に関わってくるのは11月検針分の燃料費調整単価となります。
急激な変化が起きにくい仕組みになっているので、このようにオクトパスエナジーの燃料費調整単価の変化は緩やかです。
料金プラン:シンプルオクトパス-1年後は自動切り替え
シンプルオクトパスの特徴は基本料金と燃料費調整額がゼロ。使用量にかかわらず単一の電力量料金単価が適用されるシンプルな設計です。燃料価格の影響を受けないので安心感がありますね。
ただし、契約から1年経つとグリーンオクトパスへ自動切り替えすることに注意が必要。
なお、2024年5月に登場した料金プランです。
主な特徴は以下の通り。
シンプルオクトパスの特徴
- サービス展開は沖縄電力エリア以外の9地域(グリーンオクトパスと同様)
- 基本料金がゼロ
- 燃料費調整額もゼロ
- 電力量料金単価は(各地域ごとに)1段階のみ
- 契約から1年経つとグリーンオクトパスへ自動切り替え
シンプルオクトパスの料金体系
シンプルオクトパスは基本料金および燃料調整額がゼロ。
後でも述べますが、基本料金がゼロなので電力使用量の少ない人にとくにお薦めですね。
また、燃料調整額がゼロなので、他のプランのように毎月改定される燃料調整費単価に応じて電気代が変動することもありません。
ただし、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、他の電力会社/料金プランと同様に加算されます。
また、通常、使用量に応じて三段階に変わる電力量料金単価は1段階のみ。その値は各地域に応じて異なります。例えば、東京電力エリアでは下表の通り。
地域 | 電力量料金単価(kWhあたり) |
---|---|
東京電力エリア | 30.35円 |
この電力量料金単価も契約から12か月間は変動しません(シンプルオクトパスは契約開始後12か月で自動的にグリーンオクトパスへ移行)。
ちなみに、国の電気料金激変緩和措置は、シンプルオクトパスの契約者もその値引きを受けられます。詳しくはQ&Aを参照してください。
契約の1年後はグリーンオクトパスへ自動切り替え
先に書いたとおり、シンプルオクトパスは契約の1年後は自動的にグリーンオクトパスへ移行します。
そのグリーンオクトパスも再エネ実質100%の電気を供給するプラン。
なので、環境を意識してシンプルオクトパスを契約した人も、その点は心配ないでしょう。
もしグリーンオクトパスが採用する料金体系を好ましく思わないなら、そのタイミングで他の電力会社/料金プランへの乗り換えを検討すれば良いですね。オクトパスエナジーは解約金が発生しないですから。
シンプルオクトパスに関するよくある質問
ここでは、よく疑問に思われるが上記に書き切れなかったことをQ&A形式にまとめました。
- Qシンプルオクトパスのメリットは?
- A
基本料金や燃料調整額がゼロで、電力量料金単価が12か月変わらないこと。
- Qシンプルオクトパスのデメリットは?
- A
もし世間の燃料費の水準が大きく下がると、それに合わせて他の料金プランでは燃料費調整額も下がるが、シンプルオクトパスではその恩恵は受けられない。結果として、割高になってしまう可能性がゼロではないこと。ただし、そのような事態になっても、解約金がゼロなので解約して他の料金プランに乗り換えればよいだけ。
- Qシンプルオクトパスでも、国の電気料金激変緩和措置などの補助を受けられるのか?
- A
その他の料金プラン
このほか、電気自動車ユーザー向けの「EVオクトパス」や、太陽光パネル設置世帯向けの「ソーラーオクトパス」も展開。いずれのプランも契約期間の縛りや解約金がないため、状況に応じて柔軟に乗り換えられるのが大きなメリットです。
モデルケースでの電気代
「ひとり暮らし」「二人暮らし」「ファミリー世帯」など生活スタイルごとに電気代がどの程度になるのか、もっと具体的に知りたい人も多いと思います。
モデルケース別に電気代シミュレーションをまとめた記事がありますので、気になる人はご確認ください。
👉[オクトパスエナジーの電気代(ひとり暮らし:関東)]
👉[オクトパスエナジーの電気代(二人暮らし、ファミリー世帯:関東)]
オクトパスエナジーの申し込みに活用できるキャンペーン

オクトパスエナジーでは、申し込み時に利用できるキャンペーンが複数用意されています。
主なものに「サイト経由の割引」「お友達紹介割」「比較サイト(エネチェンジ・価格.com・セレクトラ)との提携特典」などがあり、いずれも電気代の割引やキャッシュバックを受けられる仕組み。
その特徴は、割引額や適用条件は地域・契約プラン・申し込み方法によって変わる点です。同じオクトパスエナジーのプランでも、どの経路から申し込むかによって実際に受けられるメリットが異なります。特典は重複して使えないため、申し込みを検討している人は「最も割引効果の大きいキャンペーン」を選ぶのが賢明。
例えば、友達紹介制度は紹介者と新規契約者の双方が8,000円の割引を得られます。比較サイト間でも、それぞれでキャッシュバック額や手続き、受け取り時期に違いがあるので注意が必要。いずれの特典も予告なく終了・変更される可能性があるため、気になる人は早めに申し込むのがおすすめです。
そうは言っても、ネット上では各キャンペーンの情報がバラバラに散らばっていて、「結局どれが一番お得なのか、すごくわかりにくい!」となりますよね。そこで、キャンペーンを一覧で比較できる記事をまとめました。気になる人はぜひこちらの 「キャンペーンのキャッシュバック比較」記事を参考にしてください。
オクトパスエナジーのサービスやサポート

オクトパスエナジーは、再生可能エネルギー実質100%の電気の供給に加えて、利用者を重視したサービスとサポート体制を整えています。利用者専用のマイページやスマホアプリでは、電力使用量を時間別・日別に確認でき、データ反映も数時間以内とスピーディー。
例えば「昨日は休日で一日外出していたから、使用量は確かに少ないな」とか、「今日は妻のパートが休みだから、午前中からそれなりに使用量があるな」というように確認可能。節電意識の向上や家計管理に役立ちます。
カスタマーサポートは迅速で丁寧な対応が高く評価され、日本人スタッフがメールや電話、SNSで柔軟に対応。カスタマーサポートについては「ここまで丁寧に返信してくれるのか!」と筆者も感動した経験があります。FAQも充実しており、多くの利用者が安心して使える体制が整っていますよ。
契約や申し込みはオンラインで完結で立ち合い不要。切り替えについても約7割の人が2週間以内に完了していることが独自アンケート結果でわかりました。
さらに、契約期間の縛りや解約金がないため、燃料費調整額の変動などに応じて柔軟に乗り換えが可能。
また、「友達紹介割」「節電チャレンジ」など独自制度も充実しています。電力需要のピーク時に節電すれば電気代が還元される仕組みは、家計だけでなく環境にもメリットあり。透明性の高い情報開示やAPIの公開など先進的な取り組みも特徴で、ユーザー主体のエネルギー利用を後押ししています。
参考までに、現役利用者である筆者の感想を含めた、利用者のレビューを以下の記事にまとめています。もちろんカスタマーサポートに対する評価もありますので、ぜひご活用ください。
オクトパスエナジーをおすすめできる人・向かない人

オクトパスエナジーは、再生可能エネルギー実質100%の電気供給に加え、フレンドリーなサポートやお得な制度を備えた新しいタイプの電力会社。個性的な電力会社であるため、必ずしも万人におすすめできるというわけではありません。
オクトパスエナジーをおすすめできる人
オクトパスエナジーは次のような人に特におすすめできます。
環境問題に関心があり、日常生活で環境貢献を実感したい人。さらに、大手電力会社より電気代が安くなるケースがあるため、コストを重視する人にも適しています。
基本料金や燃料費調整額がゼロの「シンプルオクトパス」は、使用量の少ない家庭や電気代の変動を避けたい人に向いています。加えて、迅速で柔軟なサポート対応を重視する人や、データ連携や節電チャレンジなどの先進的な取り組みに興味がある人にも好相性。契約期間の縛りや解約金がない点も安心材料といえるでしょう。
オクトパスエナジーが向かない人
一方で、伝統的な大手電力会社の「盤石な安心感」を重視する人や、紙の検針票・請求書が必須な人にはやや不向きです。また、料金プランやキャンペーンの仕組みを「複雑」と感じる場合もあるかもしれません。
ところで、オクトパスエナジーが合わないと感じた人も、「再エネ電力を選びたい」という思い自体は変わらないはず。そんな人のために、オクトパスエナジー以外にも、みんな電力・さすてな電気・エバーグリーンといった再エネ電力会社4社をまとめて比較した記事を用意しています。各社の特長や料金の概要、メリット・デメリットを整理していますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
👉 [再エネ電力会社おすすめ4社の比較]
ちら見でわかるオクトパスエナジー徹底まとめ|料金・評判・特典のまとめ
オクトパスエナジーは、再生可能エネルギー実質100%の電気を提供しつつ、料金プランやキャンペーン、サポート面でも独自の魅力を持つ電力会社です。
自分の暮らしや価値観に合うかどうかを見極めるために、料金シミュレーションやキャンペーン比較を活用し、最適なプランを選ぶのがおすすめです。
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